エコプロ2019の感想と出展社参加者のターゲット層

展示会
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2019年12月5日~7日にかけて東京ビッグサイトで行われた、エコプロ2019に行ってきました。持続可能な社会の実現に向けてという副題がついている通り、昨今目にすることが多くなったSDGsにフォーカスした内容の展示会となっております。

その展示会に行ってきた感想とSDGsの考えや、学校や企業の取り組みについて書いていきます。

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SDGsとはそもそも何か

最近耳にする SDGsというキーワード。SDSDGsとはいったいどういうことなのでしょうか。

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。

出展:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、その単語からSDGsと呼ばれています。この前進のMDGsは発展途上国に当てはめた指針で、以後、世界情勢の変化や途上国の発展により、次のステージへと変わっていきます。ここで提唱されたのがSDGsです。

SDGsはMDGsの狭い目標に比べ、先進・途上国のすべてが対象となり、経済・社会・環境のバランスがとれた社会を目指す世界共通の目標として設定されました。

17のゴールとその課題ごとに設定された169の達成基準から構成されています。上記の画像は17のゴールを表しており、このアイコンのような表示は共通で使用されています。

17のゴールと169の達成基準すべては、貧困や飢餓、環境問題、経済やジェンダーまで幅広い課題を網羅しています。豊かさを追求しながら地球環境を守り、そして「誰一人取り残さない」ことを強調し、人々が人間らしく暮らしていくための社会的基盤を2030年までに達成することが目標とされています。

エコプロ2019の出展企業・団体

SDGsの取り組みを行っている会社であれば出展に意欲的でありますが、実際にはそのSDGsのうち、12.つくる責任 つかう責任をテーマにした取り組みが多かったように思います。リサイクル、ごみ減量といった会社として、社会としてわかりやすい取り組みが目につきました。

一般的な企業展示会との差は?

一般的な展示会とは異なりほとんどのブースで名刺を求められることはありませんでした。そして会場には制服姿の学生から赤帽を被った小学生くらいの集団まで、学生が多くみられました。これもこの展示会の大きな特徴といえます。

見込み顧客を獲得する目的で出展をすると肩透かしになるかもしれません。

参加企業のテーマや特徴

大手はさすがと思うような立派なブースづくり。名の知れた会社には行列ができていました。

多くのブースで環境をテーマに扱っているようで、学習型の展示が多かった印象です。スタンプラリーやクイズの形式です。ワークショップ的にテーマについて学ぶというブースも多かったと思います。

名刺が欲しいサラリーマンより、課外学習で来ている学生のほうが楽しいのではないかと思いました。

参加団体のテーマや特徴

企業ブースを取り囲むよう、壁沿いに学校やNPO、協会系のブースが多くみられました。

NPOは団体の取り組みや啓蒙を中心編集されたチラシなどを置いて、おじさんがぼーっとしているといういつもの展示会の光景です。

大学生は学校単位よりも研究室やゼミの単位での出展が多かったと思います。

高校、中学の数はあまりなかったと思いますが、小学校のブースはいくつか見かけました。考える時間だったり、ボランティアや課外活動に時間を使ってなかったり、学校で強制的にやらされる場面がないから学校も積極的に出展してこないのでしょうか。

企業よりもおもしろい!特に話を聞かせてもらったブース

とにかく企業はためになる話を聞くことができるのですが、個人的には学校が行う研究発表が興味深かったです。店番をしている学生さんにいくつか嫌らしい(個人的にはそうでもない)質問をさせてもらいましたが、なぜその研究テーマでやっているのか、という本質が抜け落ちているかなという感想を持ちました。

象印

魔法瓶をテーマに、マイボトルをPRすることでごみを減らすことを目的に展示を行っていました。

象印マホービンのキャラクターらしいです

クイズに答えるともらえる象印のオリジナルじゆうちょうです。中もオリジナルです

レンゴー

段ボール大手のレンゴー。クイズに答えると、段ボールで組み立てるクリスマスツリーがもらえます。

中では段ボールを使った組み立てワークフローを行っていました。

段ボールのリサイクルマークは知りませんでした。というより、どこに印刷してあるんでしょうかというくらい見た記憶がありません。

杉並区立浜田山小学校

今の小学生はパソコンでスライドをコントロールし、プロジェクターで画面を映して説明をするということを行っているということに驚きました。

ゴーヤを使った緑のカーテンと打ち水について5分ほどで発表を行ってくれました。

東京農業大学

学園祭の紙トレイを回収し、土壌改良剤として再利用する取り組みが紹介されていました。課題は、使

用済みトレイが汚れていると、この取り組みに使えないということ。その仕分けに苦労をさせられたそうです。

常磐大学 松原哲哉ゼミナール

耕作放置問題がテーマ。学生が地域の水田や畑が休まないようにする取り組みが紹介されていました。

スポット的に学生を調達できる仕組みがあるのであれば、米作りは助かる場面は多そうです。農家の仕事は中学生くらいの理解度があればできるけれど、手数がいっぱいあると楽になることが本当に多く存在します。そういったニーズに応えられる仕組みができると良いですが、ロケーションが壁になります。

一般社団法人 全国農協観光協会

農業検定を紹介しているJAの関連団体。問題集、テストの編纂に予算がかかるというありがちな悩みを抱えているようです。大学の先生の原稿料は高いですからね。

農業検定は取り組み方によっては受験人数が増えそうなテーマではありますが、思いのほかお金儲けの意識が無いようです。

もし協会の方が何かの間違いでここにたどり着いたらぜひとも検定の方向性について意見交換をしたいなと思うところです。(要するにお仕事もらえます)

東京家政大学 環境教育学科

スキームで少し驚いたのが、有機農法の農家から土地を提供(間借り)してもらい農業指導を受けるという内容の実習成果を紹介していたブース。理科の先生の卵ということもあり、有機農法を学び、田植えから収穫までのスポット的なイベントに参加しているようです。

店番の方に話を聞くと、指導料や土地を借りさせてもらっているという立場なのか、学校が農家にお金を払ってやらせてもらっているというような流れになっているようです。

それだとすると、収穫物から得られる利益もそれなりに分配されるべきものだと思いますが、聞く限りではそんなにもらえていないということ。

なぜここに噛みつくのかというと、フェアトレードになっていないんじゃないかという印象を受けたためです。大学が常にお金を払い続け、単位のために実習に学生が参加させられ、収穫から得られる利益を搾取される。有機農法の農家がこれをやらないと採算が取れないということをいうのであれば事業継続性の面で疑問があり、採算が合わないなら有機農法辞めて、もっと収量のあがる手法をためしたらどうですかという感想を持ちました。

千葉大学

大学が環境ISO14000を取得したということです。もう少し突っ込んだ話をしようと思ったのですが、自称ISOに詳しいサラリーおじが学生に対してマウントをとっていたので、その場を離れました。

法政大学 金藤研究会

テーマの一つがLCCが抱える企業の継続性についてという風に私は理解しました。

LCCをBSCの切り口で大手の航空会社と比較して会社分析を行い、LCCの成長余地を探っていました。一因に成田と羽田を挙げていましたが、もしLCCが羽田に入ったとしたとき、本当にLCCの収益が改善するのかという疑問ももったほうが良かったかなと思いました。

日本土壌肥料学会

となりで泥団子を作っていたと思いますが・・・

12月5日は世界土壌デーです。

世界各地の地層をはぎ取って樹脂で火y貯めたものが展示されていました。

地層って切り取って展示できるんですね。

世田谷区立明正小学校

里山研究のほか、実験動物や飢餓について調べていたようです。

近くの里山保全といくつかのテーマをタブレットを使用して解説をしてくれました。小学生に対して言うことではないのかもしれませんが、大人の言っていること、本に書かれていることが本当に正しいのかという目線は持っておいてほしいなと思いました。

例えば、外来種が増えることが里山保全にとって困るのですと、いう一言。

外来種が在来種を滅ぼすことが本当にいけないことなのかという目線ですね。自分なりに善悪の根拠が持てないと、大人が言っているからそれが正しいという思考になってしまわないかなと思うのです。

里山にプラスチックごみがたくさん落ちていること。これの何が悪なのか。ごみが捨てられてしまうプロセス、捨てられてしまった後にどのようなアクションが適切と考えるのかという目線は忘れて欲しくないなと思います。

女子美術大学 プロダクトデザイン専攻

今回の展示で私の中で最も刺さったテーマです。環境のテーマが多い中、福祉の観点の取り組みが紹介されていました。

デザインの力で障がい者の支援をするというコンセプト。

不要になった化粧品のケースなどを使って雑貨をつくる取り組みです。

デザイン+障がいや老人福祉施設+メーカー。この組み合わせは今の世の中にマッチするケースが多いかなというのが第一印象です。

社会との接点を産業で持つというのは、もっとも正しいつながりです。健常者と同等の質をもつアウトプットが出せるのであれば、報酬を得てもよいだろうと思います。労働の対価に報酬をもらうことは何ら悪いことではないと思いますので、持続可能(税金に頼らない自立した)な福祉という可能性があるのかもと思いました。

全体を通して

身近なテーマであることもあり、わかりやすい展示会であるとおもいます。体験もクイズもたくさんあり、子供をつれても楽しめる展示会だったと思います。

小学校が課題発表に展示会場を使用するということが最も驚いたことでありますが、そういった人材と渡り合わないといけない上位世代は、老害と言われないよう頑張らないといけませんね。

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